Stable Diffusionは商用利用可能?著作権や利用可能モデルを解説

・Stable Diffusionで商用利用が可能か知りたい
・商用利用をする際に注意するべきことが知りたい

という方に向けた記事になります。

Stable Diffusionはテキストから画像を生成するAIツールで、特定の条件を守れば、基本的には商用利用が可能です。

ただし、Stable Diffusionはモデルという学習済データを追加することでよりイメージに近い画像生成を可能とするため、商用利用の可否は、Stable Diffusion自体のライセンスに加えて、学習に用いるモデルのライセンス形態などにも左右されます。

そこで本記事では、「Stable Diffusionで商用利用する際の注意点・著作権や利用可能モデル」について詳しく解説します。

ななみ

Stable Diffusionで生成した画像を安全に商用利用するために、ライセンスを一緒に確認していきましょう!

Stable Diffusionのライセンスは以下より確認できます。本記事と併せてご確認ください。
>>【公式】Stable Diffusionライセンス
>>【公式】Stable Diffusionライセンスモデル

目次

Stable Diffusionで生成した画像は商用利用可能?

Stable Diffusionはモデルという学習済データを追加することでよりイメージに近い画像生成を可能とするため、商用利用の可否は、Stable Diffusion自体のライセンスに加えて、学習に用いるモデルのライセンス形態などにも左右されます。

Stable Diffusion自体はオープンソースのため、もちろん商用利用が可能です。
>>【公式】Stable Diffusionライセンス

Stable Diffusionの基本モデルとなる「CreativeML Open RAIL++-M」ライセンスによると、特定の条件を守れば、基本的には商用利用が可能です。
>>【公式】Stable Diffusionライセンスモデル

ただし、Stable Diffusionで利用できるモデルは多数あり、すべてのモデルが基本モデルと同様のルールに従っているわけではないため、事前に個別のライセンス文書を確認することが重要です。

商用利用とは何か

そもそも、商用利用とは何なのか確認しておきましょう。

「商業利用」に同じ。利用者が自分の利益を得る目的で、営利目的で、利用すること。

引用元:webio辞書

Stable Diffusionの場合に置き換えると、「金銭的な利益を得る目的で、Stable Diffusionで生成した画像・作成したプロンプトを利用すること。」になります。

Stable Diffusionでは以下のような利用が商用利用として考えられます。

  • グッズ・NFTとして販売
  • クライアントから依頼されて画像を生成
  • ブログやYoutubeのサムネイルに利用

商用利用をしたい!と考えている場合は、Stable Diffusionで利用するモデルのライセンスおよび商用利用時の注意点を確認してから利用を始めましょう。

生成した画像の著作権や所有権はどうなる

Stable Diffusionのモデル・モデルの派生物に対する著作権は、ライセンスに従う限り、「作成者(あなた)」に許諾されます。(ざっくり、モデル等の権利を有する人から、著作物の利用を許可された状態です。)

<英語>

Section II: INTELLECTUAL PROPERTY RIGHTS

Both copyright and patent grants apply to the Model, Derivatives of the Model and Complementary Material. The Model and Derivatives of the Model are subject to additional terms as described in Section III.

Grant of Copyright License. Subject to the terms and conditions of this License, each Contributor hereby grants to You a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute the Complementary Material, the Model, and Derivatives of the Model.

<日本語>

第II章:知的財産権
著作権および特許に関する権利は、モデル・モデルの派生物・補足資料に適用されます。モデルおよびモデルの派生物には、第III章に規定される追加条件が適用されます。
2.著作権ライセンスの許諾
本ライセンスの条件に従うことを条件として、各コントリビューターはあなたに対し、世界的かつ永続的、非独占的、無償、ロイヤリティフリー、取消不能の著作権ライセンスを許諾します。これにより、補足資料・モデル・モデルの派生物を複製・準備・公に表示・公に実行・サブライセンス・再配布することができます。

引用元:Stable Diffusion – ライセンスモデル

ライセンス条件の範囲内で、自由にモデル・モデルの派生物を利用が可能です。また、この権利は条件に従う限り無償・永久に許可されます。

生成した画像などの権利については以下の通りです。

<英語>

6.The Output You Generate. Except as set forth herein, Licensor claims no rights in the Output You generate using the Model. You are accountable for the Output you generate and its subsequent uses. No use of the output can contravene any provision as stated in the License.

<日本語>

6.あなたが生成する出力
本ライセンスで明記されている場合を除き、ライセンサーはあなたがモデルを使用して生成する出力に対していかなる権利も主張しません。ただし、あなたが生成した出力とその後の使用に対してはあなたが責任を負います。出力の利用が本ライセンスの規定に違反しないようにしなければなりません。

引用元:Stable Diffusion – ライセンスモデル

ライセンスに定められた範囲内で自由に画像生成が可能ですが、法律に違反しない・虚偽の情報でない・他人の著作権・特許権・商標権を侵害しないコンテンツを作成するなど、コンテンツについては利用者自身が責任を持つことが前提と記載されています。

ななみ

以上の通り、Stable Diffusionの基本モデルについてはライセンスの範囲内で商用利用が可能です。その他の派生モデルについては、個別にライセンスを確認する必要があります。

Stable Diffusionを商用利用する時の注意点

Stable Diffusionを商用利用する時の注意点は以下の通り。

商用利用時の注意点
  1. 商用利用不可の画像を読み込んで画像生成しない
  2. 商用利用不可のモデルを使わない
  3. 商用利用不可のモデルに追加学習を行わない

一つずつ見ていきます。

商用利用不可の画像を読み込んで画像生成しない

img2imgという、画像を元に新たな画像を生成する機能を利用する際に、元となる画像そのものが商用利用不可の場合は読み込んで画像生成しないように気を付けましょう。

たとえば、フリー素材サイトでも「非営利目的に限る」と明記された画像を学習データとして読み込むと、生成された画像にも制限がかかる可能性があります。

また、著作権がある画像を読み込んで画像を生成すると、著作権侵害にあたる可能性があります。そのため、読み込ませる画像に著作権がないかという確認も大事になってきます。

商用利用不可のモデルを使わない

Stable Diffusionには多くの派生モデルが存在し、独自の追加学習を施しているケースも珍しくありません。

その中には「商用利用不可」と定められているモデルもあるため、モデルのダウンロード前にライセンス情報を確認する必要があります。

モデルの作者により明示的に商用利用が制限されているにも関わらず、営利目的のイラスト制作や画像販売などを行うことはライセンス違反として罰則を受ける可能性があります。

具体的な確認手順は後述しますが、モデルのダウンロードサイトでライセンス情報を確認できます。

  1. Hugging Faceの公式リポジトリで確認
  2. Civitaiなどのコミュニティサイトで確認

商用利用不可のモデルに追加学習を行わない

商用利用が禁止されているモデルに対して追加学習(LoRAやDreamBoothなど)を行った場合も商用利用は認められません。

「商用利用不可」のモデルの派生モデルについて、元のモデルのライセンスを引き継ぐため、元のモデルが商用利用が不可の場合は派生モデルも商用利用できないということになります。

ただし、モデルごとにライセンスは異なるため、追加学習を行う際はその都度、ライセンスの確認が必要です。

Stable Diffusionで商用利用可能なモデルの確認方法

Stable Diffusionの派生モデルは非常に多いため、商用利用の可否はモデルのダウンロードサイトでライセンス情報を確認すると良いです。

  1. Hugging Faceの公式リポジトリで確認
  2. Civitaiなどのコミュニティサイトで確認

商用利用が明確に禁じられていることもあるため、モデルダウンロード前に、ライセンス情報や使用条件について確認するようにしましょう。

Hugging Faceでライセンスを確認

Hugging Faceのモデルページにはライセンス情報やREADMEが記載されており、商用利用の可否や再配布条件などを詳しく確認できます。

たとえば、ページ上部のライセンス欄に「CreativeML Open RAIL-M」と明記されていれば、基本的には商用利用が可能と考えてよいですが、追加の使用条件(制限)がないか、READMEも確認しておきましょう。

ライセンスについて詳しく知りたい方は、Licenseの右下やじるしより「Read more」を押して、ライセンスの詳細(原文)を確認してみてください。

Civitaiでライセンスを確認

Civitaiのモデルページには作者が設定したライセンスや注意事項が記載されているため、掲載情報を読むだけで概要を把握できます。

たとえば、モデルページの画面右側の作者の欄の下にライセンスの記載があります。先ほどと同様に「CreativeML Open RAIL-M」と明記されていれば、基本的には商用利用が可能と考えてよいです。

追加の使用条件(制限)がある場合はライセンスの右横に以下のようなマークが出ているので、確認しましょう。

追加の使用条件(制限)には以下のような事が記載されています。赤色で×マークがついているものは権限が付与されないということなので、注意しましょう。

<英語>

This model permits users to:

・Use the model without crediting the creator

・Sell images they generate

・Run on services that generate for money

・Run on Civitai

・Share merges using this model

・Sell this model or merges using this model

・Have different permissions when sharing merges

<日本語>

このモデルはユーザーに以下を許可します:
・制作者のクレジットを表記することなくモデルを使用すること

・生成した画像を販売すること

・有償の画像生成サービス上でこのモデルを実行すること

・Civitai上でこのモデルを実行すること

・このモデルを用いてマージしたモデルを共有すること

・当該モデルやマージしたモデルを販売すること

・マージしたモデルを共有する際、それぞれ異なる使用許可設定を適用すること

引用元:civitai

ななみ

商用利用が可能か判断しかねる場合は、コメント欄で他ユーザーが商用利用について質問していないか確認したり、作者に問合せて確認しましょう。

Stable Diffusionで商用利用可能なモデル一覧

Stable Diffusionで商用利用可能なモデルを一覧にしました。モデルを選ぶときの参考にしてみてください。

スクロールできます
モデル名モデル入手先(Civitai)ライセンス追加条件(制限)
BlazingRealDriveBlazingRealDrive(Civitai)CreativeML Open RAIL-MSell this model or merges using this model
mutsuki_mixmutsuki_mix(Civitai)CreativeML Open RAIL-MSell this model or merges using this model
Beautiful Realistic AsiansBeautiful Realistic Asians(Civitai)CreativeML Open RAIL-MRun on services that generate for money
Run on Civitai
Sell this model or merges using this model
majicMIX realisticmajicMIX realistic(Civitai)CreativeML Open RAIL-MSell this model or merges using this model
CyberRealisticCyberRealistic(Civitai)CreativeML Open RAIL-Mなし
Realism EngineRealism Engine(Civitai)CreativeML Open RAIL-Mなし
ICBINPICBINP(Civitai)CreativeML Open RAIL-MSell this model or merges using this model

まとめ:Stable Diffusionは商用利用可能?

Stable Diffusionで商用利用する際の注意点・著作権や利用可能モデル」について解説しました。

Stable Diffusionはテキストから画像を生成するAIツールで、特定の条件を守れば、基本的には商用利用が可能です。

ただし、Stable Diffusionはモデルという学習済データを追加することでよりイメージに近い画像生成を可能とするため、商用利用の可否は、Stable Diffusion自体のライセンスに加えて、学習に用いるモデルのライセンス形態などにも左右されます。

モデルダウンロード前に、ライセンス情報や使用条件について確認するようにしましょう。

手順を振り返りたい方は以下のリンクより飛べます。

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