【初心者向け】Stable Diffusion WebUIのLoRAの使い方を解説

・Stable DiffusionのLoRAの導入手順が知りたい
・LoRAを利用する時の注意点が知りたい

という方に向けた記事になります。

Stable DiffusionのLoRAとは、既存のモデル(Checkpoint)に対する追加学習データを指します。ファイル容量が小さく、少ないリソースでキャラクター・ポーズ・背景などを細かく指定でき、よりイメージに近い画像生成が可能になります。

Stable Diffusion WebUIをローカル環境に導入した段階では、LoRAは入っていないため、自分でインストールする必要があります。

そこで本記事では、「Stable Diffusion WebUIのLoRAの導入方法」について詳しく解説します。

ななみ

LoRAの選び方からインストール手順、LoRA利用時の注意点についても解説します。

PCに詳しくない方でもスムーズに導入できるよう、画像付きで分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください!

モデルとLoRAは合わせて利用します。モデルの導入がまだの方は以下の記事を参考にしてみてください!
>>【初心者向け】Stable Diffusion WebUIのモデルの入れ方を解説

目次

Stable DiffusionのLoRAとは?

Stable DiffusionのLoRAとは、低ランク近似を使って学習を最適化する技術の一種で、既存のモデル(Checkpoint)に対して追加データやスタイルを効率的に付与できる仕組みです。

大規模なモデル(Checkpoint)を丸ごと再学習する必要がないため、少ないリソースで独自の作風を反映させたい場合に便利です。

例えば、プロンプトで表現するのが難しいような追加の特徴などをつけたい場合にも活用できます。モデルでも十分だけど、ちょっと独自性を足したい…などにも。

高い柔軟性とファイル容量の小ささを両立できる点、比較的に簡単に実装可能な点が特徴になります。
>>【参考】github.com/cloneofsimo/lora

LoRAのメリット・Checkpointとの違い

LoRAのメリットは、モデル全体を再学習しなくても新しいスタイルや人物像を後付けできることです。

Checkpoint(フルモデル)は大容量かつ学習にも多大な時間やGPUリソースが必要です。それに対しLoRAは、既存のモデルパラメータを凍結したまま一部のみを学習する方式なので、省メモリかつ短時間で微調整できます。

  • Checkpoint:モデルの本体。ファイル容量が大きいが、様々な描画スタイルの画像を生成
  • LoRA:モデルの追加学習データ。ファイル容量は小さく、特定のスタイルを補強して画像を生成

Checkpointの方がファイル容量は大きく、読み込み時間もかかりますが、多様な描画スタイルをカバーできます。LoRAはファイル容量が小さめで特定のジャンルを補強する性質があり、必要に応じて複数のファイルを簡単に切り替えることが可能です。

ななみ

プロンプトでは表現できなかったキャラクター・ポーズ・背景などを簡単に実現できるなど、少ない学習量で多様なカスタマイズが可能になります。

LoRAのバージョン・容量と更新頻度について

LoRAモデルは開発コミュニティによってバージョンや容量はさまざまでです。容量は数MB程度から数百MBまで幅広く、更新頻度もコミュニティや開発者の熱意に左右されます。

バージョンについて、最新版が常に最良とは限らないため、ダウンロード数やユーザからの評価なども考慮してLoRAファイルを選ぶようにしましょう。

ななみ

容量に関しては、WebUIおよびモデル(Checkpoint)が導入できている時点であまり気にしなくて大丈夫です。ただし、LoRAのバージョンはモデル(Checkpoint)に合うバージョンを選択しましょう。

Stable Diffusionではモデルバージョン「SD1.5」または「SDXL」が広く利用されています。画像の品質にそこまでこだわらない 、またはPCのスペックが不安な方は「SD1.5」の利用がおすすめです。

後述しますが、LoRAのVersion欄やBase Model欄に、どのモデル(Checkpoint)を使って学習されたのかが明記されている場合があるので、ダウンロード前にチェックしておきましょう。

LoRAファイルの入手先とダウンロード方法

Stable DiffusionのLoRAファイルは、主にオンラインリポジトリやAI関連のコミュニティサイトより無料で入手できます。

  1. Hugging Faceの公式リポジトリから入手
  2. Civitaiなどのコミュニティサイト

ダウンロード方法は一般的にZIPファイルや直接のファイルリンクからの取得が多いです。一つずつ見ていきましょう。

Hugging Faceからダウンロード

Hugging Faceは、多くのAIモデルが公開・共有されるプラットフォームで、LoRA関連のリポジトリも豊富です。

Stable Diffusionにおいても様々なCheckpointやLoRAがアップロードされており、検索機能を利用して目的のモデルを見つけることができます。

ダウンロードする際は、LoRAの説明文にあるバージョンや動作実績をよく読み、環境と合っているかを確認する必要があります。

ななみ

特に、商用利用をしたい方は、利用条件やライセンスについても事前に確認しておきましょう。

ダウンロード手順は、まずHugging Faceにアクセスし、モデルのページへ移動します。

検索窓に「yayoi-lora」と入力して、Kotajiro/yayoi-LoRAを選択します。

ななみ

お試しで入力してみましたが、検索は何でも大丈夫です。

「Files and versions」タブへ移動して、お好きなバージョンをダウンロードします。

モデル(Checkpoint)のバージョンに合ったものか確認してください。拡張子は「.safetensors」がおすすめです。

以上でHugging Faceから、LoRAのダウンロードは完了です。

Civitaiからダウンロード

Civitaiは、Stable Diffusion関連のモデルを検索しやすいサイトとして知られ、LoRAも多数公開されています。

ユーザーが投稿したCheckpointやLoRA、各種テスト画像などが集約されており、作者が提示する使用例や推奨パラメータを参考にできる点が魅力です。

ページにはモデルのプレビュー画像や動作報告が寄せられ、ダウンロード前に完成イメージを把握しやすい仕組みになっています。

Hugging Faceと同様に、LoRAの説明文やリリースノート・利用者の感想などをチェックしてからダウンロードするようにしましょう。

ななみ

特に、商用利用をしたい方は、利用条件やライセンスについても事前に確認しておきましょう。

ダウンロード手順は、まずCivitaiにアクセスし、モデルのページへ移動します。

モデルページでFilterをかけて好みのLoRAを選んでもOKです。今回は検索窓に「Hyper detailer」と入力してエンターキーをクリック。フィルターボタンを押して検索結果をさらに絞り込みします。

絞り込みした結果より、気に入ったLoRAを選択します。

「Download」ボタンをクリックして、LoRAをダウンロードします。

バージョンが選べる場合はダウンロード数や利用者の感想などを参考にして選びましょう。また、ファイルサイズより、ダウンロード先の容量が足りることも確認しておくと良いです。

ななみ

モデル(Checkpoint)のバージョンに合ったものか確認してください。拡張子は「.safetensors」がおすすめです。

以上でCivitaiから、LoRAのダウンロードは完了です。

Stable Diffusion WebUIにLoRAを導入する手順

Stable Diffusion WebUIにLoRAを導入する手順は以下の通りです。

手順
  1. LoRAを選ぶ
  2. LoRAの利用規約や使用条件を確認する
  3. LoRAをダウンロードする
  4. LoRAをインストールする
  5. LoRAを使って画像を生成する

一つずつ見ていきます。

手順1:LoRAを選ぶ

まず、目的や好みに合ったLoRAを選びます。

アニメ調なのかリアル写真調なのか、あるいは特定のキャラクターに特化しているのかなど、モデルによって得意分野が異なります。

選ぶ際には、サンプル画像のスタイル、レビューやダウンロード数、ファイルサイズや対応バージョンを確認しておきましょう。

ななみ

どれを選んだらいいか分からない場合は、ランキング上位など人気のLoRAから導入してみるのもアリです。

今回の手順では「Meina from MeinaMix」というLoRAを導入していきます。

手順2:LoRAの利用規約や使用条件を確認する

続いて、LoRAの利用規約や使用条件を確認します。

LoRAには独自の利用規約やライセンスが設定されている場合があり、商用利用や改変、二次配布などに制限がかかっている事例があります。

事前に規約を把握せずに使用すると、後になって法的トラブルに発展する可能性もあります。商用利用の可否、クレジット表記の有無、改変や再配布の禁止事項などを確認し、適切に使用することが大切です。

ななみ

特にイラストやキャラクターの二次創作に関しては、権利者が厳しく監視している例もあるため注意が必要です。

今回の手順ではCivitaiより「Meina from MeinaMix」というLoRAを導入しますので、Civitaiにアクセスして、検索窓よりモデル名を検索していきます。

ななみ

作者が「Fallenlncursio」さんになっているものを選択します。

ダウンロード予定のバージョンを確認します。「v2.0 LoRA」をダウンロードするので選択しておきましょう。

画面右側の作者の欄の下に利用規約・ライセンスの記載があります。(こちらのLoRAは記載されていません)

ななみ

LoRAはコミュニティ作成の派生物として公開されることが多く、ライセンス欄が空欄だったり、特別な記載がないまま配布されている場合もあります。

ライセンス以外にも、追加の使用条件によって一部の商用利用が制限されるため、こちらをよく確認しておきましょう。

商用利用については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
>>Stable Diffusionは商用利用可能?著作権や利用可能モデルを解説

手順3:LoRAをダウンロードする

続いて、LoRAをダウンロードします。

LoRAをダウンロードする際には、ファイルのサイズや拡張子を必ず確認してください。

LoRAファイルの容量は数MB程度から数百MB程度のため、モデル(Checkpoint)より心配は不要ですが、念のため確認しましょう。

また、拡張子は「.safetensors」または「.ckpt」が用いられますが、セキュリティ面で不正改ざんのリスクを減らせる形式とされている「.safetensors」を選択するのがおすすめです。

ファイルのサイズや拡張子は以下の赤枠内より確認できます。

ファイルのサイズや拡張子が確認できたら、「Download」ボタンをクリックしてLoRAをダウンロードします。

ダウンロードは1分程度で終わります。

手順4:LoRAをインストールする

続いて、LoRAをインストールします。

Stable Diffusion WebUIをインストールしたフォルダ(当サイトであれば「C:\StableDiffusion」)より、「stable-diffusion-webui」→「models」→「Lora」のフォルダに、ダウンロードしたLoRAファイルを配置して、インストール完了です。

「C:\StableDiffusion\stable-diffusion-webui\models\Lora」にダウンロードしたLoRAファイルを配置します。

WebUIを起動して、LoRAが選択できるようになっているか確認して、OKです。

ななみ

もしWebUIを起動・再起動してもファイルが認識されないときは、パス設定が誤っているかもしれないので、確認してみてください。

手順5:LoRAを使って画像を生成する

最後に、LoRAを使って画像を生成します。

Stable Diffusion WebUIでLoraタブから追加したLoRAを指定できるようになりました。あとはテキスト入力欄や設定パネルからパラメータを入力するだけで、絵柄を反映した画像が自動生成されます。

モデル「MeinaMix」を選択して、プロンプト「beautiful girl, big eyes, long hair, dynamic pose, vibrant colors, soft lighting, upper body shot」を入力します。

Loraタブへ移動して、追加したLoRAを選択すると、自動でプロンプトが追加されます。

LoRAを選択すると「<lora:ファイルネーム:1>」がプロンプトに自動入力されます。
「:1」の数値を変更することで、LoRAを適用する強度を変更することが可能です。

LoRAの詳細欄に載っているTrigger Wordsを追加、LoRAの強度を0.8に変更して、生成ボタンをクリックしました。

ななみ

今回はLoRAの説明ページにプロンプト例が載っていたため例を参考にして画像を生成しました。このように、説明欄やギャラリーを参考にプロンプトを作成してみてください。

モデル(Checkpoint)を追加した時よりもさらに作風が固定されたのが実感できました。以上のように、LoRAの追加・変更は簡単に行えるため、色々なLoRAを試してみて、自分好みの画像を生成していきましょう。

Stable Diffusion WebUIでLoRAを利用する時の注意点

Stable Diffusion WebUIでLoRAを利用する時は、以下の注意点について気を付けておくと、安心して利用できます。

商用利用や著作権・ライセンスの確認

Stable Diffusionで作成した画像を商用利用する際は、使用したモデル・LoRAのライセンスをよく確認してください。

LoRAの作者が商用利用を禁じている事例や、改変を制限する条件を設けている場合があります。著名なキャラクターや既存イラストを扱うLoRAでは、権利問題が起こりやすいため注意が必要です。

ななみ

特に収益化を考えている方は、権利表記や引用元の明記などを徹底し、安全に利用するように努めましょう。

商用利用については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
>>Stable Diffusionは商用利用可能?著作権や利用可能モデルを解説

LoRAが反映されない場合の対処法

LoRAを読み込んだはずなのに反映されていない場合、配置フォルダの設定やモデル(Checkpoint)とのバージョン不一致が原因となっているケースが多いです。以下を見直してみましょう。

・ファイル名の誤字や拡張子違いがないか
・WebUIの再起動を実施したか
・LoRAとStable Diffusionバージョンの適合性

また、複数のLoRAを同時に適用した際に競合が起きる可能性もあります。適用したLoRAを一度すべて外してから一つずつ試すと、原因を特定しやすいです。

プロンプト設計のポイント

LoRAで生成したいスタイルやキャラクターを反映させるには、プロンプト設計が重要です。以下の工夫をするとより効果的に反映されやすくなります。

LoRA固有タグ:作者が指定しているTrigger Wordsを正しく入力
強弱の表現:「<lora:ファイルネーム:1>」のWeightを調整
ネガティブプロンプト:不要な要素を排除

Trigger WordsはCivitaiのLoRA詳細欄に記載されています。コピーしてプロンプトに追加しましょう。(記載されていない場合は、入力不要です)

まとめ:Stable Diffusion WebUIのLoRAの使い方を解説

Stable Diffusion WebUIのLoRAの導入方法」について解説しました。

Stable DiffusionのLoRAとは、既存のモデル(Checkpoint)に対する追加学習データを指します。ファイル容量が小さく、少ないリソースでキャラクター・ポーズ・背景などを細かく指定でき、よりイメージに近い画像生成が可能になります。

Stable Diffusion WebUIをローカル環境に導入した段階では、LoRAは入っていないため、自分でインストールする必要があります。

様々なLoRAを追加して、お気に入りの画像が生成できるよう試行錯誤していきましょう!

手順を振り返りたい方は以下のリンクより飛べます。

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